100均のハンコでも実印や銀行印は作ることができる?
100円ショップなどでお手軽に買える既成品のハンコを実印や銀行印にしようと思っているならちょっと待って!実印は人生を左右することもある大切な印鑑、銀行印だってお金管理に大切な印鑑です。偽造されにくいしっかりとしたものを作成しましょう。
どうしても急いでいるんだ!という方はこちらをご参考ください。
このページに書かれていること
ダイソーなどの100円ショップのハンコでも実印にできる?
ダイソーやセリア、キャンドゥなどなど100円均一ショップや専門のハンコ店などで大量生産されたいわゆる三文判が売られていますが、あのハンコも実印として登録することができるのでしょうか?
実印の仕様は各自治体で定められています。自治体のホームページでは実印として印鑑登録できるもの(またはできないもの)が掲載されています。それらを参考に実際はどうなのか東京23区について調べてみると次のように大きく3通りに対応が分かれていました。
登録できない | 目黒区 |
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適さない | 千代田区、港区、新宿区、文京区、墨田区、品川区、世田谷区、杉並区、荒川区、板橋区、練馬区、葛飾区、江戸川区 |
特に記載なし | 中央区、台東区、江東区、大田区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、足立区 |
「登録できない印鑑」として明示されているのは目黒区だけでしたが、「適さない」「避けて下さい」等、「できない」とは書かれてはいないが控えるように注意書きがある区が13区と半数を超えています。中には詳しい説明付きで注意喚起している区もあります。いくつか引用してみました。
文京区
既製印(三文判)を登録するのは危険です 一般に市販されている既製印は、機械によって大量生産されるもので、全く同じように作られています。もし、あなたが既製印で登録すると、それがあなたの実印となります。あなたの実印は市販されている既製印ですから、誰でも簡単に、全く同じものを手に入れることができます。 もし、第三者があなたの実印と同じ既製印を手に入れ、あなたの実印として悪用して、あなたの大事な財産を手に入れようとしたらどうでしょう。 それは大変恐ろしいことですが、考えられないことではありません。 印鑑登録証明書はあなたの実印の印影を証明するものです。印鑑を登録する場合には、既製印のように同じ印影がいくつも作られているものではなく、ぜひ手彫りの、あなただけの印鑑を登録するようにしてください。
引用元:文京区HP http://www.city.bunkyo.lg.jp/tetsuzuki/koseki/inkan/toroku.html
品川区
量産されている既製の印鑑は手に入りやすく、悪用される危険も高くなります。したがって、実印として印鑑登録するのには望ましくはありませんが、印鑑を作る時間がない方などには、そうした事情をご了承の上で登録していただいています。ただし、このような印鑑は早めに変更することをおすすめします。
引用元:品川区HP http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/page000001500/hpg000001428.htm
板橋区
既製印(三文判)を登録するのは危険です! 一般に市販されている既製印は、大量生産されているもので、誰でも簡単に同じ印鑑を入手することができます。不正行為等に利用され、思いがけない財産上の不利益を被る場合がありますので、手彫りの印鑑を登録するようにしましょう。
引用元:板橋区HP http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/000/000769.html
文京区はかなりのスペースを割いて注意喚起しています。それだけ危険であるということです。品川区は危険だけれどもどうしても急ぎで必要である場合などやむを得ない場合のみに限定するよう書かれています。その場合も後からしっかりしたものに変更するようにとも忠告しています。板橋区は不正利用の可能性が高いことを利用者に注意喚起しています。いずれも三文判を実印にすることは避けるべきだと利用者に伝える文面となっています。
これら以外の9区は特に記述はありませんでしたが「他にも登録できない印鑑がありますので詳しくはお問い合わせ下さい」などの表示がありますので、念のため電話等で確認をしたほうが良いでしょう。
これだけ各自治体も注意を呼びかけているわけですから「今日すぐに作らないと!」ぐらい急でなければ三文判を実印にするのはやめておくべきですね。
銀行印なら100均ので別に問題ないよね?
実印は不動産登記や自動車の購入、重要な契約などに使われる印鑑の中でも最も大切なものですから大量生産などされていないちゃんとしたものを用意するとして、銀行印は100均のでいいよね?
いや、いや、いや、ちょっと待って下さい。確かに実印よりは重要度は下がるのかもしれませんが、だからと言って銀行印なら偽造とか成り済ましとかされても良いのですか?もちろんそんなことになったら困りますよね。
実印と銀行印のどちらが重要かなどは意味のない比較です。どちらもあなたにとって重要で大切な印鑑です。実印用ほどお金をかける必要はないにしても既成品ではなくオーダーメイドのものを用意するようにすべきです。
100均などの三文判を使うのはちょっとした確認などに使う認印だけにしましょう。
オーダーメイドの手彫り印鑑って高くて時間も掛かるんでしょ?
確かに「完全手彫り」の印鑑は安くはありませんし、納期まで時間も掛かります。でもオーダーメイドならすべてが完全手彫りで高価なのかといえば実はそうではありません。むしろオーダーメイドで作られているものの大半が「完全手彫り」ではないのです。
「完全手彫り」でないなら機械的に作られた大量生産品と何が違うのでしょうか?
完全手彫りにすると一つ作るのにかなりの時間が掛かってしまう上に価格も一気に高くなります。これでは印鑑屋さんも大量の注文を受けることが出来ませんし、お客さんも購入しづらくなってしまいます。そこで多くの印鑑屋さんは機械彫り+手仕上げという方法をとっています。
コンピュータ上で一つ一つデザインを調整
↓
機械で荒削り
↓
仕上げは人の手で削る
これが一般的な「手仕上げ」の方法です。この方法だと最初のデザインの段階で同じ文字でも形が違うものを準備でき、時間や手間の掛かる荒削りは機械を使って時短。仕上げだけは人の手で行うため一つ一つ微妙な違いが出ます。
こうして作られた印鑑は100均のものとは比べ物にならないほどしっかりとしていて、2つとして同じもののない一本が出来上がるのです。
一から職人が彫る完全手彫りのように人件費がかからず、かつ機械も使うことでとても早く出来上がるのです。
オーダーメイドで注文するなら店舗に行かなきゃ駄目なのかな?
オーダーメイドで作ってもらうためにお店に行くとなるとなかなか大変ですね。でも安心してください。店舗へ行かなくても今はネットの印鑑ショップでしっかりとしたものを購入することができます。もちろんオーダーメイドです。
わざわざ店舗へ行ったとしても手彫り職人のいるお店や彫刻機を設置しているお店は少数ですのでほとんどの場合、注文を受けてから工場に送り加工した後に納品となります。要するに窓口的な役割となっていてネットで注文するのと大差ないのです。
むしろネット注文のほうが店舗と工場間の移動など無駄がなく、注文してから手元に届くのが早いです。翌日発送は当たり前で当日出荷に対応しているところさえあります。
24時間注文も可能で忙しい方でも夜にゆっくりと冷静に選んで注文できます。店舗で店員の顔色を伺いながら時間に追われて注文するより失敗は少ないかもしれません。
彫る前に出来上がりの印面イメージを確認するサービスなどもあってネットという一見デメリットに見えるものを逆にメリットにしているなど、印鑑のネット通販はとても成熟しており安心して購入できます。
素材を手にとって確かめたいなら → 実店舗
少しでも安くしたいなら → ネット通販
早く手に入れたいなら → ネット通販(その場で彫ってもらえるなら実店舗)
じっくり検討したいなら → ネット通販
忙しくて時間がないなら → ネット通販
こんな感じですね。
ネット通販が安いといってもさすがに100円では買えませんが、ここでケチっていずれ恥ずかしくないものに作り変えたり、困ったことが起こり得るリスクを考えれば、オーダーメイドの印鑑を作っておくのは無駄な出費にはならないはずです。
オーダーメイドで実印を作ってみようかなと思ったらこちらも参考にしてみてください。